「忠実、名誉」 ベロニカ花言葉
ベロニカの特徴
ベロニカは、ルリトラノオなどの仲間で、縦のラインが美しく、スマートな草姿とさわやかな花色が魅力の花です。
ボーダー花壇では必ずといっていいほどよく植えられ、細長い穂が整然と並んで咲く様子は壮観です。
世界に200~300種があり、直立する高性種から這い性のものまでバラエティに富み、日本には帰化植物を含めて20種ほどが自生しています。
このうち、宿根性で花壇やコンテナの利用が多いのは、セイヨウトラノオ(Veronica longifolia)を中心とした交配種です。
ほかには、中型のオーストリアカ(V. austriaca)、這い性のプロストラータ(V.prostrata)やペドゥンクラリス(V.peduncularis)、秋咲きのトウテイラン(V.ornata)などがあり、これらの種はルリトラノオ属(シュードリシマキオン属,Pseudolysimachion)に分類されることもあります。
また、英名の「スピードウェル」は、グッドバイの意味があり、花がすぐに散ることに由来しますが、花数が多く、わき芽が咲くものも多いので、長い期間観賞できます。
ベロニカ 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
高地から海岸まで、種によって自生地はさまざまですが、環境への適応性もあり、暑さ寒さに強く、栽培は比較的容易です。
日当たりを好み、有機質に富む水はけのよい場所が適します。ロックガーデンのようなところでもよく育ちます。
水やり
庭植えは、根が張ればほとんど不要です。鉢植えでは、水切れすると下葉が枯れたり花つきが悪くなるので、用土が乾き始めたらたっぷりと与えます。特に蕾が出て花が咲くまでの春の成長期は多めがよいでしょう。
肥料
株元に翌年の芽が成長する秋を中心に、早春にも少量施します。庭植え、鉢植えともに株のまわりに緩効性肥料を置き肥として施します。春は速効性の液体肥料が使いやすく、芽が伸びてからの多肥は、茎が倒れやすくなるので注意します。
病気と害虫
病気:うどんこ病、灰色かび病
品種によってうどんこ病のつきやすいものがあり、予防に努めます。
日当たり、風通しが悪いと灰色かび病などが発生します。
害虫:アブラムシ
アブラムシがつきやすいので、生育中はよく観察して早めに防除します。
用土(鉢植え)
赤玉土7、腐葉土3の配合土などや、一般の草花培養土が利用できます。苦土石灰を少量混ぜておくとよいでしょう。
植えつけ、 植え替え
植えつけ:3月から4月と9月下旬から11月中旬が適期です。堆肥や腐葉土を混ぜて耕してから、根鉢をくずして植えつけます。根づくまでは乾燥に注意します。花つきの開花株を入手した場合は、開花後早めに一回り大きな鉢に植えるか、庭に植えつけます。
植え替え:成長が早く、芽数もふえやすいので、毎年植えつけ適期に古い用土を落として、芽数を制限して植え替えます。
ふやし方
株分け、さし芽、タネまきでふやせます。
株分け:植えつけ、植え替え時に行います。
さし芽:6月ごろと9月から10月ごろに、花芽でない若い芽の頂芽ざし、または1節ずつに切り分けた節ざしとします。
タネまき:ポットや鉢を利用し、4月から5月または9月下旬から10月にまいて、本葉4~6枚でポットに仮り植えして育てます。ただし、個体差が出るものも多く、親株と同じ花が咲くとはかぎりません。NHK出版より
ベロニカの種類(原種、園芸品種)
ベロニカ・ロンギフォリア(セイヨウルリトラノオ) Veronica longifolia
基本種は鮮やかな藤紫色の花を直立させるが、濃紫や白花の品種もある。夏から秋咲き。
ベロニカ・ロンギフォリア(セイヨウルリトラノオ) ‘サイトシーイング’ Veronica ‘Sightseeing’
‘ブルー・ブーケ’Veronica ‘Blue Bouquet’
‘ロイヤル・キャンドル’ Veronica ‘Royal Candle’
‘ブルー・ボム’ Veronica ‘Blue Bomb’
ベロニカ・ペドゥンクラリス Veronica pedunclaris
這い性で青紫色の花が3月から5月に咲く。葉色の濃い品種の‘ジョージア・ブルー’がよく利用されている。
ベロニカ・プロストラータ Veronica prostrata
地を這うように広がり、春に短い花穂を多数つける。多くの品種がある。
ベロニカ・オーストリアカ Veronica austriaca
こんもりと丸く茂り花つきもよい。‘ブルー・フォンテン’‘クレイターレイクブルー’‘ミセスホルト’などの品種がある。
ベロニカ・ゲンチアノイデス Veronica gentianoides
トウテイラン Veronica ornata
山陰地方の海岸に自生。葉は白っぽい。草丈20〜40cm。8月から11月に開花。