「希望、慎重」 サンザシ花言葉
サンザシの基本情報
学名:Crataegus cuneata
和名:サンザシ(山査子) その他の名前:メイフラワー
科名 / 属名:バラ科 / サンザシ属
サンザシの特徴
サンザシの仲間は、北半球の温帯に約200種が分布する落葉木で、ごく少数、常緑性のものがあります。日本には北海道にオオバサンザシ(Crataegus maximowiczii)、北海道と長野県にクロミサンザシ(C. chlorosarca)が自生しています。
日本では白い花を咲かせ、赤または黄茶色の実がつくサンザシや、ピンク色の八重咲きのセイヨウサンザシ(C.laevigata、C. monogyanaとその交配種)が栽培されます。
サンザシ(C. cuneata)は中国原産の落葉低木で、日本には朝鮮半島経由で1734年に薬用植物として渡来したとされ、果肉とタネは健胃、整腸剤として用いられます。漢名は山査子で、日本ではその読みが、そのまま和名として使われるようになりました。
また、日本での栽培はあまり多くありませんが、ヨーロッパではセイヨウサンザシが、生け垣や街路樹として多く栽培されます。
サンザシの英名はメイフラワーとされますが、ホウソーン(Hawthorn)、メイ(May/5月)とも呼ばれます。サクラやリンゴなどの花は「フラワー」ではなく、「ブロッサム(blossom)」といわれるように、メイブロッサム(May blossom/5月の花)と呼ばれることもあります。
寒冷地に自生しますが、暑さに強い種類も多く、寒さにはきわめて強いため、栽培は比較的簡単です。春の花や果実、秋の紅葉も観賞できるため、もっと普及してもよい花木といえます。
サンザシ 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
庭植えでは、水はけがよく、夏に極端に乾燥せず、西日の当たらない日なたに植えつけます。
比較的成長が遅いので、鉢植えでも栽培できます。通年、戸外に置き、真夏は半日陰、それ以外の時期には日なたで育てます。
水やり
庭植えでは、特に必要ありませんが、極端に乾燥する夏の高温期には、朝か夕方に水やりします。鉢植えでは、春と秋は乾いたら水を与え、夏は水切れさせないようにし、冬は控えめに水やりします。
肥料
庭植え、鉢植えともに、2月上旬から3月下旬に寒肥として、緩効性化成肥料や固形の油かすを施します。
病気と害虫
病気:うどんこ病、黒星病、赤星病
うどんこ病は、葉に白い粉が吹いたようになります。
黒星病は、褐色から黒色の円形の斑点が葉に出て、落葉します。見つけしだい、発症した葉を取り除き、早期対処します。
赤星病はビャクシン類から感染するので、近くに植えないようにし、発病した葉は取り除きます。
害虫:カイガラムシ、アブラムシ、テッポウムシ
カイガラムシが発生したら、古い歯ブラシなどでこそぎ落とします。
アブラムシが発生したら、捕殺します。
テッポウムシは、幹に侵入して内部を食害するので、株元などに木くずを見つけたら、穴に針金などを入れて、刺殺します。
用土(鉢植え)
赤玉土小粒1、鹿沼土1、腐葉土1の配合土など、水はけと水もちのよいものを使います。
植えつけ、 植え替え
成長の止まった10月上旬から11月下旬、または厳寒期を除いた落葉期の2月下旬から3月下旬に植えつけます。
植えつけは、根鉢の大きさの2倍の深さ、幅の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や完熟堆肥などを混合したものを使用します。
根鉢のまわりに十分に水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませます。
ぐらつく場合は支柱を立てます。
ふやし方
タネまき:さし木がむずかしいため、販売される苗はカリンやサンザシの台木を使ったつぎ木苗ですが、家庭ではタネでふやします。
園芸品種ではタネから育てると親と同じ花は咲きませんが、自分だけの花をつくる楽しみがあります。
なお、八重咲きの品種は結実しません。
タネまきは、10月上旬から11月下旬に熟した果実を採取し、水で洗って果肉を完全に取り除き、タネだけにします。
タネは、乾燥させると発芽能力がなくなるので、すぐに赤玉土小粒などにまいて、厚さ1cmほど土をかぶせます。
タネをまいた容器は戸外に置き、乾かさないように管理すれば、春に発芽します。
サンザシの種類(原種、園芸品種)
セイヨウサンザシ Crataegus laevigata
ヨーロッパ原産。花は小輪一重で、白色。
果実は赤色だが、サンザシ(C. cuneata)に比べて果実は小さく、成長も遅い。
アカバナヤエサンザシ Crataegus laevigata ‘Paul’s Scarlet’
セイヨウサンザシの園芸品種。
八重の赤い花を数多く咲かせる。結実しない。
セイヨウサンザシ‘クリムゾン・クラウド’ Crataegus laevigata ‘Crimson Cloud’
濃紅赤色で中心がクリーム色のかわいらしい花を多数咲かせる。
葉の濃い緑色と花との対比が鮮やか。株は横に広がり、生育旺盛で育てやすい。