「つつましい愛、信じる愛」 フクシア花言葉
フクシアの基本情報
学名:Fuchsia
科名 / 属名:アカバナ科 / フクシア属
フクシアの特徴
フクシアは下向きに咲く上品な花姿から、貴婦人のイヤリングと呼ばれることもあります。
花形は一重咲きから八重咲きまであり、花の大きさは1cmにも満たない小輪から8cmを超える大輪までと多種多様です。野生種のトリフィラをもとに交雑された品種の花は、萼の筒状部が長く、中から花弁がわずかにのぞく朱赤色で一重の花が特徴です。
亜熱帯性気候地域原産ですが、高冷地や湿った薄暗い森、峡谷などに自生するため、涼しくて湿り気のある環境を好みます。
それらをもとに主にヨーロッパで園芸品種が育成されたため、日本では、過酷な夏、特に熱帯夜が苦手で、夏越しの難しい植物です。
一般に、一重で小輪の品種は、八重で大輪の品種よりも暑さに強い傾向があります。
特に、日本で作出された‘エンジェルス・イヤリング’は耐暑性に優れています。
フクシア 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
春は日当たりと風通しのよい場所で、夏は涼しくて風通しのよい半日陰で育てます。
ヤシ殻繊維のマットを使ったハンギング仕立てにし、高所から吊るすと、地面からの輻射熱を避けることができます。
秋になったら日当たりのよい場所へ移しますが、秋からの開花は春ほど見事ではありません。
しかし、朝晩が涼しいため花色が鮮明に冴えて美しくなります。
暗い時間が1日12時間以上になると開花が抑制される性質をもっていますが(長日植物)、夜間に蛍光灯などをつけて明るくすると開花が続きます。
霜が降りる前には室内に取り込み、よく日の当たる暖かい場所で管理します。
水やり
鉢土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりします。
夏の水やりは特に重要で、涼しい午前中に行い、植物体の温度を下げるために、夕方になったら葉水のほか鉢の周囲に打ち水を行い、気化熱で温度を下げるとよいでしょう。夏と冬の水やりは過湿にならないよう控えめに行います。
肥料
夏と冬を除き、生育おう盛な株には、置き肥や液体肥料を施します。
生育が衰えている株には施しません。
病気と害虫
病気:灰色かび病
湿度の高い時期と冬の低温期に、灰色かび病が発生することがあります。
風通しをよくし、花がらや枯れ葉は随時処理して予防しましょう。
害虫:オンシツコナジラミ、ハダニ
周年、オンシツコナジラミが発生します。
ひどくなると葉がオンシツコナジラミの排せつ物でべたべたになり、カビが発生してすす病を引き起こし、葉が黒くなります。
また、乾燥期にハダニが発生し、葉が白っぽくかすり状になり、光沢がなくなります。
用土(鉢植え)
水が停滞するのを嫌うので、水はけのよい用土を用います。市販の草花用培養土に日向土小粒などを2割程度混ぜるとよいでしょう。
植えつけ、 植え替え
土が古くなって水はけが悪くなった株や、根がよく張っている株は、4月から6月中旬、または9月中旬ごろ、根鉢のまわりの土を軽く落とし、新しい用土で同じ大きさ、もしくは一回り大きな鉢に植え替えます。
ふやし方
さし木:さし木でふやします。春または秋に、若い茎の部分を切って、赤玉土小粒とパーライト等量の用土にさします。
若苗は成木と比べて高温に強いので、5月ごろさし木をしておくとよいでしょう。
主な作業
花がら摘み:花弁に張りがなくなってしぼみ始めたら、花梗(茎と花の間の短い枝)から摘み取ります。
ほうっておいても花は自然に落ちますが、花後に果実ができるものがあるので、こまめに摘みましょう。
切り戻し:梅雨時期に、草丈の半分程度に葉を数節残して切り戻します。
これにより、株の風通しがよくなるとともに、夏に過度の蒸散が抑えられます。NHK出版より
フクシアの種類(原種、園芸品種)
トリフィラタイプ Fuchsia Triphylla Type
暑さに強く、日長に関係なく開花する。
生育おう盛で大株になる。黒みを帯びた葉と長いオレンジ色の萼が特徴。
エンジェルス・イヤリング・シリーズ Fuchsia Angel’s Earing Series
暑さ、寒さに強く、丈夫で育てやすい。
強い茎がまっすぐに伸びるタイプや、横へ横へと広がるタイプがある。
フクシア‘マリンカ’ Fuchsia ‘Marinca’
花弁も萼片も深い紅色。
分枝性がよく、枝が横へ柔らかく伸びるので、ハンギング仕立てに向く。
比較的に夏越しさせやすい。