「自然への愛、崇高、持続性 」モクレン花言葉
モクレンの特徴
外側が紅紫で内側が白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代中期に編纂された『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にもその名が見られるように、古い時代に中国から渡来しました。
もともとは、観賞のためではなく、漢方で「辛夷」(しんい)と呼ばれる蕾を、頭痛や鼻炎の薬とするために植えられたようです。
別名の「シモクレン(紫モクレン)」は花色にちなんでいます。近年は、同じく中国原産のハクモクレンがより広く栽培されますが、モクレンとハクモクレンは、花色以外も大きく異なります。
ハクモクレンは樹高20mに達する高木で、単幹で幹が太くなりますが、モクレンは樹高4~5mほどの中高木で、株立ちになりやすく、やや横に広がります。
また、ハクモクレンは、花弁は9枚で、開花後に葉が出るのに対して、モクレンは、花弁が6枚、開花中に葉が出て花が終わるころには葉に隠れてしまいます。
モクレン 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
樹高はあまり高くなりませんが、横枝が張るため、少なくとも直径3mの広さが確保できる場所が必要です。
日当たりのよい場所であれば、おう盛に生育し、花もよく咲かせます。
土壌は腐植質に富んだ水はけがよいものが適しています。
モクレンは根が粗く、細根が少ないので、成木の移植は困難です。将来の大きさを考えて、植えつけ場所を選ぶことが必要です。
大きく育つため、鉢植えでの栽培には向きません。
水やり
植えつけ後、しばらくの間は乾いたら与えますが、その後は必要ありません。
肥料
若木の場合は、成長期の5月、充実期の9月中旬から下旬、休眠期の1月に、緩効性化成肥料や固形の油かすを施します。
9月はチッ素分の少ないものを施してください。成木の場合は、5月と1月に施します。
病気と害虫
害虫:カイガラムシ、カミキリムシ
カミキリムシの幼虫が幹に穴をあけて食害することがあります。
植えつけ、 植え替え
落葉期の1月から3月上旬に行います。
元肥として腐葉土や完熟堆肥などをすき込み、根を切らないように注意しながら根鉢を軽くくずして、深植えにならないように植えつけます。
ふやし方
タネまき:適期は9月から10月です。熟した果実から採種します。
果皮と果肉を水洗いしてきれいに取り除き、赤玉土小粒を入れた鉢にまいてください。
春に発芽し、本葉が3~4枚になったら2.5~3号鉢に1本ずつ鉢上げします。NHK出版より
モクレンの種類(原種、園芸品種)
サラサモクレン(ソウランギアナ) Magnolia x soulangiana
外側が紅紫で、内側は白色の花が平開する‘アレクサンドリナ’(‘Alexandrina’)が栽培される。