「きらめき、悲しみは続かない」 ヒペリカム(ビヨウヤナギ)花言葉
ビヨウヤナギの基本情報
学名:Hypericum chinense
和名:ビヨウヤナギ(美容柳) その他の名前:ヒペリカム
科名 / 属名:オトギリソウ科 / オトギリソウ属
ビヨウヤナギの特徴
ビヨウヤナギはキンシバイ(Hypericum patulum)と同じオトギリソウ(ヒペリカム)属、中国原産の花木で、古くから観賞用に栽培されてきました。黄金色の花が上向きに咲き、多数の雄しべが突き出すのが特徴です。
花が少なくなる6月から7月にかけて、長期間、黄色い花を咲かせます。
株は大きくならないので、宿根草と組み合わせたり、庭のちょっとしたスペースに植えてもよいでしょう。
近年は、キンシバイに類似の野生種で、大きな花を咲かせ、樹高が低いカリキナム(H.calycinum)が、庭木やグラウンドカバーとして栽培されるようになり、ビヨウヤナギの栽培は少なくなっています。
また、花は小型ですが、赤色や黒色の果実が美しい‘エルステッド’などの園芸品種が栽培されるようになり、実つきの枝が切り花として販売されています。
栽培は容易ですが、夏に高温多湿になる地域では、さび病に対する予防が必要です。
ビヨウヤナギ 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
旺盛に成長し、樹高1mほどになるので、鉢植えを購入した場合でも庭植えにすることをおすすめします。
花を咲かせるためには、日なたから半日陰の環境が必要です。
水はけがよく、極端に乾燥しない腐植質に富んだ保水力のある土壌が適します。
特にさび病に弱カリキナムや‘エルステッド’は、秋に周囲が過湿にならない、風通しのよい場所を選びましょう。
なお、カリキナムは、多少日陰でも花を咲かせ、吸枝(地下を伸びる茎)でどんどん広がるため、グラウンドカバーとして多用されます。
水やり
庭植えの株には特に水やりの必要はありませんが、極端に乾燥する夏の高温期には、朝か夕方に水やりをします。
肥料
生育を始める前の3月と、花が終わり、夏の暑い時期を過ぎた9月下旬から10月下旬に緩効性化成肥料や固形の油かすを施します。
病気と害虫
病気:さび病
カリキナムや果実も観賞できる‘エルステッド’は、葉に茶色の斑点ができるさび病に侵されやすく、後者の場合は枯死することもあります。
落ちた葉についた菌は越冬するため、毎年発生しやすくなります。
予防のために8月下旬から10月にかけて3週間に1回、殺菌剤を散布し、落ちた葉は取り除きます。
害虫:ほとんどありません。
植えつけ、 植え替え
3月から4月、9月下旬から10月が適期です。
根鉢より一回り大きな植え穴を掘り、腐葉土や少量の完熟堆肥などを混合したものを入れてから、苗を植えつけます。
根鉢のまわりに十分に水を注ぎ、棒などでつついて、根と植え土をなじませて植えましょう。
秋の植えつけ時には、伸びすぎた枝を切って、株姿のバランスを整えてもよいでしょう。
ふやし方
さし木:開花前の5月から6月、新梢が堅くなりかける時期に、枝を長さ10cmほどで切り取ります。
蕾を切り落とし、先端の葉4~6枚を残して、赤玉土小粒やさし木用土に、葉が触れ合う程度の間隔でさし穂をさします。
たっぷりと水やりし、風の当たらない日陰で乾かさないように管理します。
株分け:カリキナムは株分けでふやすこともできます。
3月から4月、9月下旬から10月に株を掘り上げて、ハサミで適当な大きさに分割します。
主な作業
剪定:ビヨウヤナギは、春に伸びた枝に花芽をつくります。そのため、剪定は3月に行います。
株を小さくまとめたい場合は、地際から20~30cmぐらいの高さで刈り込みましょう。
大きく育てる場合は、浅く刈り込んで樹形を整える程度にとどめ、さらに枯れ枝や花がつかなくなった古枝を、基部から切り除きます。
カリキナムは、ほとんど剪定は不要で、枯れ枝を切る程度にします。
また、果実を観賞する‘エルステッド’などは、3月に切り戻します。
NHK出版より
ビヨウヤナギ 種類(原種、園芸品種)
ヒペリカム・カリキナム Hypericum calycinum
ビヨウヤナギに似ているが、樹高は低く、大きな花を咲かせる。
生育旺盛でグラウンドカバーとして利用される。中国原産。
ヒペリカム・アンドロサエマム‘オータム・ブレイズ’ Hypericum androsaemum ‘Autumn Blaze’
樹高80cmほどになる落葉低木。
カリキナムと比較すると花は小さいが、熟すと赤色に染まる果実も観賞でき、結実期には切り花として利用される。
ヒペリカム・イノドルム‘エルステッド’ Hypericum x inodorum ‘Elstead’
樹高1.5mほどになる落葉低木。
花は小さいが、果実はピンクから赤色に熟す。結実期に切り花として利用される。