「謙譲、困難に負けない」 ツワブキ花言葉
ツワブキの基本情報
学名:Farfugium japonicum
和名:ツワブキ その他の名前:ツワ、イシブキ、イソブキ
科名 / 属名:キク科 / ツワブキ属
ツワブの特徴
ツワブキは海沿いの草原や崖、林の縁に見られる常緑の多年草です。
葉は革質でつやがあり、円くて直径20cm前後あります。
新芽は茶色の綿毛に包まれていますが、成長につれて取れていきます。
地下には短いワサビ状の根茎が連なり、大きな株になります。
花は株の中心から出て、先端に10~30輪ほどのキクに似た、花径3cm前後の黄色い花を咲かせます。
斑入りや八重咲き、丁字咲き(花芯が発達してアネモネ咲きになる品種)などの園芸品種が栽培されてきました。
花色も黄色のほか、クリームホワイト、朱色、レモン色などの品種があります。秋に咲く花だけでなく、斑入
ツワブキ 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
日なたか明るい日陰で育てます。土質は問いませんが、水はけのよい土地を好みます。斑入り葉の園芸品種のなかには明るい日陰のほうがよいものもあります。
水やり
鉢植えは、表土が乾いたら十分に与えます。庭植えは、よほどの干ばつでもないかぎり水やりは不要です。
肥料
鉢植えは、植え替え時に元肥として、草花用のチッ素、リン酸、カリが等量の配合肥料や、油かすと骨粉の配合肥料などを5号鉢で三つまみほど施します。
4月から9月は月1回、草花用のチッ素、リン酸、カリが等量の配合肥料や、油かすと骨粉の配合肥料を施します。
ただし、斑入り葉の品種のなかには、春に肥料が効きすぎると斑が現れにくくなるものがあります(特に曙斑のもの)。
最初の新葉が成長している間は肥料を控えましょう。
庭植えは、追肥を少なめにするか、または元肥のみで問題ありません。
病気と害虫
病気:うどんこ病、斑葉病、褐斑病
うどんこ病は5月から8月に発生し、葉の表面に白い粉をかけたようなカビが生えます。
あまり重症化はしませんが、気になるようなら発生した葉を切り捨てて再生させます。
斑葉病と褐斑病はどちらも灰白色の円い病斑ができ、斑葉病では病斑の縁が褐色、褐斑病では病斑の縁が暗褐色で、のちに黒い点が現れます。
どちらもあまり大発生しませんが、気になるなら発生した葉を切り捨てて再生させます。
害虫:キクスイカミキリ(シンクイムシ)
成虫は小さなカミキリムシで、4月から7月に葉柄に卵を産みつけます。
幼虫が地下の根茎に向かって葉柄の内側を食い進み、最後には根茎の内部を食いつくします。
春から夏にかけて、元気な葉の中にしおれたものが交じっていたら、その葉を根元からねじ切って幼虫を取り除きます。
念のため、葉柄を裂いて中に幼虫がいるか確認し、いなければ根茎に入り込まれた可能性が高いので、株を掘り上げて根茎を割り、中にいる幼虫を捕殺します。完全に防ぐ方法はなく、周囲にキク科の雑草を生やさないことである程度少なくできます。
用土(鉢植え)
一般的な花壇用の草花培養土でよく育ち、特別のものを用意する必要はありません。庭植えは、10~20cmほど土を盛ってから植えると、生育がよくなります。
植えつけ、 植え替え
鉢植えの場合は、芽出し前の4月に、毎年か1年おきに植え替えます。鉢から地面に植え替えるだけなら、真冬を除けばいつ行ってもかまいません。
ふやし方
株分け:植え替えと同時に行います。古くなった根茎を、自然に分かれる部分で分けます。もしつながっていても、それぞれの芽に十分に根がついているのならナイフなどで切って分けてもかまいません。
タネまき:2月から3月にタネをまいてふやすこともできます。自然に実ったタネからは、親と変わり映えがしないか、劣ったものしか生まれません。好みの親を選んで交配しましょう。豆盆栽としてつくるなら小鉢にまくとよいでしょう。
根茎伏せ:葉のない古い根茎でも、生きていれば、植えておくと芽を出して新しい株ができます。NHK出版より
ツワブキの種類(原種、園芸品種)
‘牡丹獅子’ Farfugium japonicum ‘Botan jishi’
葉の縁が激しく波打ち(獅子葉)、全体に綿毛の多い園芸品種。
花弁も波打つ。この品種をもとにして、いろいろな獅子葉の園芸品種がつくられている。
‘浮雲錦’ Farfugium japonicum ‘Ukigumo nishiki’
古くからある白覆輪の園芸品種。
栽培環境に慣れると直射日光下でも大丈夫なので使いやすい。
冬には葉の縁が紅色を帯びる。
キモンツワブキ Farfugium japonicum ‘Aureomaculatum’
ホタルツワブキとも呼ばれる。
黄色いヒョウ柄のような斑が入る園芸品種。
斑の部分が日焼けしやすいため、明るい日陰に向く。
斑の密度や株の大きさに個体差がある。
‘鏡獅子’ Farfugium japonicum ‘Kagami jishi’
葉の縁が激しく波打つ獅子葉で、黄色い斑の入る園芸品種。
株が小さいと本来の性質を発揮しないので、庭植えや大鉢に向く。
‘金冠’ Farfugium japonicum ‘Kinkan’
葉の縁が黄色く縁取られる園芸品種。
斑の現れ方は不規則で、ほんのわずかなときから、葉の半分ほどが黄色くなるときまである。
春の肥料を控えると斑が出やすくなる。
‘残雪’ Farfugium japonicum ‘Zansetsu’
葉全体に白く細かい斑点が散りばめられた白散り斑の園芸品種。
斑の現れ方はやや不安定で、斑の入らない緑葉の芽が出たら取り除く。
オオツワブキ Farfugium japonicum f. giganteum
普通のツワブキより倍以上の大きさになる。
開花期もやや遅く、11月から12月に最盛期を迎える。四国と九州の海岸に見られる。
リュウキュウツワブキ Farfugium japonicum var. luchuense
主に琉球諸島の渓流沿いに見られる。花は12月に最盛期を迎える。
直射日光と乾燥に弱く、明るい日陰で育てる。冬は最低5℃を保つ。