「いつまでもあなたと一緒」 アングレカム花言葉
アングレカムの特徴
アングレカムはアフリカのランといわれていますが、じつはその多くがアフリカ大陸の南東、インド洋西部に位置するマダガスカル島原産で、アフリカ大陸にはそれほどありません。
ランの仲間としてはややマイナーで、一般の園芸店で入手することは困難な種類です。
葉はバンダに似て細長くて厚く、茎にそって左右に広がります。
花はほとんどが白色で、花もちがよく、夕方から夜にかけすっきりとしたよい香りを放ちます。
花の色彩は単調で変化に乏しいですが、花形や株姿に特徴のあるものが多く観賞用として珍重されます。
ほかのランにはあまり見られない距(きょ)と呼ばれる細長い器官を花の一部にもちます。
これを見たダーウィンが、この距の中の蜜を吸うガがいるに違いないと予言し、彼の死後そのガが見つかったのは植物学では有名な話です。
アングレカム 育て方のポイント
比較的強い日ざしを好むため、一年中日当たりのよい場所で管理を行います。
冬は室内の暖かな部屋に入れ、窓からの日光がよく当たる場所に置きます。
春の終わりごろから戸外に出し、30%程度の遮光下で秋まで管理します。
梅雨の低温、長雨は嫌うの、長雨が予想されるときは一時的に室内に取り込み、梅雨明け後にまた戸外に出すとよいでしょう。
寒さは嫌うので、秋はやや早めに室内に取り込みます。
冬の間は室内で管理しますが、株周囲の湿度に注意し、できるだけ乾燥させないように注意します。
水やり
季節によりメリハリをつけることが大切です。
春から秋までの生育期は頻繁に水を与えますが、秋から冬の間はやや乾かし気味に管理します。
冬に水を与えすぎると根を傷め、一気に葉が落ちて枯死することもあります。
秋から春までは、水を控えますが、空中湿度をやや高めにすると株は元気よく冬越しします。
肥料
春の終わりから秋の初めまでの期間、液体肥料を7~10日に1回程度施し続けます。
ただし、真夏日が続くときは一時休み、また秋に再開します。
規定倍率よりもやや薄めの液体肥料を施すのが好ましく、濃い肥料は株を傷めるので注意しましょう。
規定倍率が1000倍であれば、2000倍程度に薄めた液体肥料を施すのが目安です。
病気と害虫
害虫:カイガラムシ
カイガラムシが葉のつけ根につくことがあるので注意が必要です。
用土(鉢植え)
小型品種は、水ゴケで素焼き鉢に植えます。細かめのバークでプラスチック鉢に植えてもよいでしょう。
大型品種は、転倒防止も含め、やや大きめで重い化粧鉢に大きめのバークを使って植えます。
植えつけ、 植え替え
植え替えをあまり好まないので、一度植えたら数年間は同じ鉢で栽培します。
鉢増しを行うときも、元の植え込み材料はあまり取らずに大きめの鉢に入れ、すき間に新しい植え込み材料を詰め込んで植えます。
ふやし方
基本的にふえにくい種類です。株が大きくなってくるとわき芽を出すことがあるので、このわき芽が大きくなり根を伸ばしてきたときに、切り取ってふやすことができます。
あまりふやすことは期待しないほうがよいでしょう。
主な作業
花茎切り:花が終わってきたら、花茎を株元から切り取ります。そのほかには特に作業の必要はありません。
NHK出版より
アングレカムの種類(原種、園芸品種)
アングレカム・レオニス Angraecum leonis
肉厚で扇状の株姿が美しく、また株のわりに大きな白い花を咲かせる。
アングレカム・セスキペダーレ Angraecum sesquipedale
花は白緑色で、長い距をもつ。
この花を見たダーウィンが、この種特有の受粉を担うガがいることを予測した歴史的価値の高い原種。
ビーチ Angraecum Vietchii
セスキペダーレをもとにした交配種で、よく販売されている丈夫な大型種。
大株に育て上げると、数十輪もの白緑色の大輪花をびっしりと咲かせる。
アングレカム・ディディエリ Angraecum didieri
株のわりには大きな、星形で白色の花をつける。
アングレカム・エバネウム Angraecum eburneum
アフリカ大陸東部からマダガスカル島と、インド洋諸島に広く分布する大型種。
株のわりにやや小ぶりだが、長く伸びる花茎にたくさんの白緑色の花をつける。
アングレカム・ディスティクム Angraecum distichum
ごく小さな白い花を、節くれ立った葉の間から咲かせる。
2号鉢植えで咲かせられるが、時間をかけ大きな株にすると花がびっしりと咲き見事。