「甘い誘惑」 イベリス花言葉
イベリスの特徴
イベリスは、砂糖菓子のようなかわいい花が株を覆うように咲き、春の花壇を彩ります。
名前は、スペインの昔の国名イベリアに由来し、この地域に多く自生していることからつけられました。
中国名では屈曲花(マガリバナ)と呼ばれ、これは太陽を向く性質が強くて花茎が曲がりやすいことに由来します。
4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になります。
花房は、咲き始めは平らですが、咲き進むと盛り上がって長い穂になります。
イベリス属には40種ほどがあります。一年草では、「ヒアシンスフラワー」とも呼ばれるアマラ種(lberis amara)と、花色の多いウンベラータ種(I. umbellata)が多く栽培されています。
多年草では、常緑性で耐寒性が強く、トキワナズナやトキワマガリバナとも呼ばれるセンペルビレンス種(I. sempervirens)がよく栽培されています。
これらは、それぞれ園芸品種も育成され、特にセンペルビレンス種では多くあります。
イベリス 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
日照が多く、比較的温暖で乾燥した地中海性気候の環境を好みます。
ウンベラータ種など秋まき一年草の種類では、日当たりと水はけのよいところで育て、寒冷地では防寒が必要です。
多年草のセンペルビレンス種は耐寒性が強く、寒地でも冬越しできますが、高温期の多肥多湿に弱く、蒸れて株が腐りやすいので、できるだけ水はけをよくしておくことが大切です。
水やり
春と秋の成長期は、用土が乾き始めたらたっぷりと水を与えます。
梅雨期からは、乾かし気味に水を与え、株が蒸れないように注意します。
肥料
春と秋に施し、6月以降は肥料分が残らないようにします。
秋まき一年草の場合は、本葉が開くころから薄い液体肥料を月に3~4回施し、冬までにしっかりと株をつくっておきます。
病気と害虫
病気:灰色かび病
多湿になると灰色かび病が出やすくなります。日当たり、風通し、水はけをよくして予防します。
害虫:アブラムシ、コナガ、アオムシなど
被害を見つけしだい防除します。
用土(鉢植え)
一般的な草花用培養土が利用できますが、水はけをよくするため、鹿沼土や軽石などを2割くらい混ぜておくとよいでしょう。
センペルビレンス種を確実に夏越しさせるには、山野草用培養土を利用します。
ただし、本種を一年草のように扱うなら、それほど用土や場所は選びません。
植えつけ、 植え替え
植えつけ:センペルビレンス種(トキワナズナ)は、ポット苗が多く流通しているので、これをコンテナの寄せ植えや花壇に植えつけます。
鉢に植えた場合は、毎年秋に植え直します。
タネまき:アマラ種やウンベラータ種は、秋にタネをまいて育てます。
移植を嫌うので、ポットにまいてある程度大きく育ててから、花壇やコンテナに植えつけます。
直まきで育てることもできます。
ふやし方
タネまき:結実したらタネをとって保管し、秋にまきます。
ウンベラータ種は花色が多く、個体差があるので、タネをまいても親株と同じ花色にならないことがあります。
株分け、さし芽:センペルビレンス種は、株分けやさし芽でもふやすことができます。開花後すぐに行うか、秋に涼しくなってから行います。
大株や古株になるほど夏に枯れやすくなり、また草姿も乱れてくるので、さし芽などで株を更新しておくのが確実です。
主な作業
花がら摘み:多年草のセンペルビレンス種は、開花後に花がらの部分を刈り込みます。
NHK出版より
イベリスの種類(原種、園芸品種)
イベリス・アマラ Iberis amara
白花。草丈20〜40cmで、花穂が大きくボリュームがある。花に香りがある。一年草。
イベリス・オドラータ(ニオイナズナ) Iberis odorata
イベリス・ウンベラータ Iberis umbellata
花色は白、赤、ピンク、藤色と豊富。草丈は60cm近くになり、株立ち状で、分枝も多く、フラワーアレンジメントにも利用される。‘フェアリー・ミックス’や‘キャンディケーン・シリーズ’などの品種がある。
イベリス・センペルビレンス(トキワナズナ) Iberis sempervirens
主に白花で、淡い藤色の花もある。マット状に広がり、こんもりと咲く。‘スノーボール’‘スノーコーン’などの品種がある。多年草。