「悲しんでいるあなたを愛する」 リンドウ花言葉
リンドウの特徴
本州、四国、九州に分布し、人里に近い野山から山地の明るい林床や草原に見られます。人気が高く、薬草としても広く知られています。
春に細い芽が伸びてきて、ササの葉に似た細い葉をつけ、茎は次第に立ち上がります。
夏が過ぎると茎は次第に横に倒れ、秋が過ぎたころから、先端に小さな蕾をのぞかせます。
蕾は渦状に巻いた状態で、日を追うごとに伸びます。
そして、暖かい日ざしのなかで、青紫色で5裂した筒状の花を数輪開きます。
花後にはさや状の果実がつき、秋も深まるころには葉が枯れて休眠に入ります。
園芸的改良が盛んで多くの品種が見られ、鉢花や切り花などでも流通しています。
リンドウ 育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
春の芽出しから梅雨明けまでは、暖かい日ざしのある環境を好みます。
梅雨明け以降は葉焼けしやすいので、寒冷紗などで50%の遮光をするか、明るい日陰に置きます。
秋の彼岸ごろからは再び日ざしの下で管理し、開花と休眠前の株の充実を図ります。冬は強い凍結を好まないので、棚下などで静かに冬越しさせます。
水やり
乾燥するとすぐに葉傷みを起こします。
また、一度水を切らすとなかなか回復しないので、乾かしすぎは禁物です。
水やりは1日1回とし、春、秋、冬は朝、夏は夕方以降にたっぷりと水を与えます。
肥料
肥料を好みます。肥料不足になるとすぐに葉が黄変するので、注意して観察してください。
元肥として、植え込み時に少量の緩効性化成肥料を施します。
芽出しから梅雨明けまでと、秋の彼岸ごろから休眠前までは月2回ほど、三要素等量の液体肥料を施します。さらに、春と秋に1回ずつ置き肥を鉢縁に置くのも効果的です。
病気と害虫
病気:葉や茎が萎縮したり曲がったりしていたら病気です。多湿による株や根の腐敗や葉焼けにも注意してください。
害虫:アブラムシ、ナメクジ、イモムシ、バッタ、ネコブセンチュウなど
アブラムシがよくつきます。ナメクジ、イモムシ、バッタなどの食害にも注意します。根に小さなこぶがついていたら、ネコブセンチュウ(ネマトーダ)です。
用土(鉢植え)
鉢は通気性と水はけのよいものを選びます。
用土は、水もちと水はけがよく、栄養分の豊かなものを好みます。市販の山野草用培養土か、赤玉土小粒と鹿沼土小粒を6:4で配合したものを使います。さらに腐葉土を一つまみ混入してもよいでしょう。
植えつけ、 植え替え
リンドウの仲間は土の中の微量要素の吸収が早く、栄養不足を起こしやすくなります。
また、土壌酸度の変化にも敏感で、すぐに葉が黄色くなります。したがって植え替えはなるべくまめに、できれば毎年か少なくとも2年に1回行います。
植え替え後は1週間から10日ほど日陰に置き、安定したら徐々に日当たりのよい棚上などへ移します。
ふやし方
株分け:植え替えの際に行います。芽がついていても意外に根が少ないので、株を無理に小さく分けず、手で引いて自然に分かれる程度の大きさに分けます。
さし芽:5月上旬から6月上旬に行います。この時期を過ぎると、根が出てその年の花は咲きますが、翌年の芽ができずに枯れることがしばしばあります。
タネまき:花後にさやが黄変して割れると、中に粉のような小さなタネがたくさんできています。
とりまきをするか、保存して春にまきます。タネまき用土は粒が細かいものがよく、まくと1か月ほどで発芽を始めます。
本葉4~6枚で移植をすると、早いものでは2年で開花します。NHK出版より
リンドウの種類(原種、園芸品種)
エゾリンドウ Gentiana triflora var. japonica
細い葉は立ち上がり、葉裏は少し白粉を帯びる。初秋に青い花を数輪ずつ、数段連ねるように咲く。
エゾオヤマリンドウ Gentiana triflora var. japonica ssp. montana
エゾリンドウの変種で、北海道と東北地方の山地や高山草原に見られる。
全体に小型で、花は茎の先端のみにつき、花冠はあまり開かない。
オヤマリンドウ Gentiana makinoi
関東地方から四国に見られ、山地の草原や高山の岩場などに生える。
葉はやや幅広く、茎葉は立ち上がる。晩夏から初秋に、鮮やかな青い花を茎の先端に咲かせる。花冠はあまり開かない。
アサマリンドウ Gentiana sikokiana
卵形で柔らかく波打つ葉をつけた茎が、地を這うように伸び、秋に優しい空色の花を咲かせる。明るい日陰を好む。